2006年03月04日

松虫中学校陸上部練習見学会

起床6:30。快晴。そして寒い。


ここは、大阪・天王寺。


今回、大阪に来たのは、グリコを激写するためでもなく、くいだおれ人形に興奮するためでもなく、ましてや、お好み焼きをたらふく食うために来たのでもない。



大阪市立松虫中学校陸上部


の練習を観に来たのである。


以前、

成功の教科書 〜熱血!原田塾のすべて〜

でも紹介したが、熱血カリスマ体育教師・原田隆史氏の最後の赴任校である。

それまでは、「生活指導の神様」として大阪では名が通っていて、荒れた学校の立て直しに尽力。
この松虫中もその1つだったのだが、この松虫中では、自らのクビをかけて、顧問でもあった陸上部で3年以内に結果を出すことを公言。



そして、3年目・・・


全日本中学校陸上競技選手権大会で6種目に入賞、うち2種目を優勝。

その後は、7年間で、全国大会・国体等入賞総数53種目、うち優勝・日本一13回を達成。

強豪ひしめく大阪府では、男子総合の部総合優勝6年連続12回、男女優秀校受賞5年連続5回の新記録も樹立。


この、公立中学校としては考えられない実績が注目を集める。


そして、2003年に退職し、天理大学の講師として教員養成を行う一方で、教師塾、企業塾、講演などの活動を行っている。



そう、今はこの陸上部の顧問ではないのだ。

しかし、それでも結果を出し続けている。


ちなみに、今の顧問は女性教員2人。


そんな陸上部の練習を見に行くのだ。



以下、練習風景をかいていくが、きっと多くの人が、


なにこれ?
ちょっと怖いなぁ・・・
なんか軍隊教育みたい・・・


と思うかもしれない。

しかし、グラウンドには「恐怖」「強制」「圧力」は全くない。

本当に全くない。


あるのは、生徒の「本気」「自立」である。



####################


練習は10:00からなのだが、準備は8:00からということだったので、8:00にホテルを出る(笑)

駅だと2つくらいみたいだけど、安全にタクシーで♪


「松虫中学校へ」


・・・タクシーは走る。


「この先が、松虫ゆう交差点なんやけど」

「松虫中学校に」


「松虫中学校?知らん!・・・分からんでぇ・・・」


・・・( ̄△ ̄;)エッ・・?


「どこらへんかわからん?住所とか。」


いや・・・そのナビで設定すればいいじゃん・・・

・・・と思いつつも、

「地図ありますけど・・・」

・・・ってなわけで、何とか到着(笑)


校門には、3、4人の女子部員が待ち構えている。

「今日の練習メニューです」

と、練習メニューの紙が渡され、別の子が

「荷物お持ちしましょうか?」

とくる。

大した荷物でもないし、なんか悪いので、丁重に断る(笑)。

その後、1人が校庭に向かって走っていく(・・・校門からそんなに離れてないですが・・・)。

そして、ボクらが校庭に顔を出すちょっと前に、本当に絶妙なタイミングで


お客様参りましたぁ〜


と大きい声。

それに反応して、校庭にいる部員たちが、大きな声で、そして元気よく、


おはようございますっっ!!

・・・と。


いきなりド肝を抜かれたんですが、その後、「お客様参りました」の生徒が、奥に案内してくれる。

ベンチにはすべて毛布がかけられてあって、至れり尽くせりって感じ。

そのベンチの一番奥にはすでに原田先生がいる。


そして、部員たちは再び自分の作業に戻る。

この自分の作業とは、先ほどの校門で待っている生徒は、次の来客の出迎え待ちをするわけだが、そのほかの部員は、清掃活動をしているのである。

校庭、道具倉庫などなど。


この、来客の一連の流れ、お客さんが来るたびに行われるし、ボクらが入ってきたところ以外のところからお客さんが入ってきても、確実に行われる。

そして驚いたのは、お客さんが連続して来て、校門で出迎え待ちの生徒が全部案内中だったときに、次のお客さんが来たとき、遠くのほうの生徒から


「お客様参りましたぁ〜〜」


・・・と、大きい声を出すのである。


すげぇ・・・お前が気づくの??


・・・って感じ。

さらに驚いたことに、校門のほうの入り口から見えないところを掃除している生徒は、その声に反応して、見えるところに出てきて、


おはようございますっ!!


・・・と毎回やるのである。


・・・そんなんじゃ掃除できてないんじゃ・・・

・・・ちゃんと掃除に集中してないんじゃ・・・


なんて思うだろうけど、それはそうかもしれないね。

でも、校門前に生徒が誰もいなくなったとき、それの代わりを遠くの生徒ができるっていうのがスゴイ。
少なくとも、どんなに遠くても、来客に対して気を使っているのだから。


まぁ、すでにめちゃめちゃキレイでやる必要はないだろうって感じ。

でも、きっと毎日やっていることで、それは練習前に必ずすることなのである。


そして、これが9:25まで続くのである。


とある高校のサッカー部が見学に来たときも、同様の対応を彼らはやってのける。

通されたあとに、サッカー部のキャプテンらしき生徒が


・・・俺ら負けとるで・・・


・・・と。


ちなみに、練習メニューには

8:00活動開始★前日雨なら7:00集合→グランド復旧全力投球

と書いてある。


実は、昨日の夜、雨が降っている。けっこうしっかり。

そんなわけで、清掃中の生徒に聞いてみた。


「今日は7:00に集合だったの?」

「6:30にはみんな来ていました」

・・・と。


意識高いなぁ(驚)


これは、あとのミーティングで、彼らが個人で判断した・・・少なくとも教員の指示ではなかったことが分かる・・・(驚愕)


9:25までは、そんな感じなのだが、個人の日誌と目標設定用紙が公開されているので、それを見たりして過ごすのだが、ぎっしり書かれている。

日誌は、ノートが数冊ガムテープでまとめられて、すっごい厚さ。

書いて書いて書きまくっているのである。


書かなきゃいけないから、気づくことを探したり、しぼり出していく・・・

そのうちに、気づくことが増えていくから、たくさん書くことがある・・・

きっとこういう変化をたどっているのだろうけど、ムダに書かれているっていう感じではない。
「書く」意味というか、重要性を各個人なりに理解しているのだろう。

原田先生が「書く」という作業をとても大切にしていて、まさにその本物を見たという感じ。

目標設定用紙には、「全国大会出場」や「○m○○cmの記録を出す」や具体的な目標と分析がぎっしりと書いてある。

けっこう、たいへんなんですよ、これ書くの。

それが、中学生がしっかり書いているのをみると、けっこう感動もん。



そして、9:25になると、練習準備がスタートする。
この練習準備とは、ストレッチとかの体の準備ではなく、ハードルや、円盤や砲丸、マットなどを倉庫から出して、指定の位置におくという、道具の準備である。


この練習準備、チンタラやらない。


準備にかける目標タイムがあるのだ。


5分28秒

おそらく、彼らの過去最高のタイムなんだろう。

いざスタートすると、30秒ごとにマネージャーが大きい声でコールする。

そのコールには、全員が返事をする。

いそいそと、でも丁寧に、目標タイム内で終わるように全員が準備をする。
移動ももちろん全力で。


今回は、目標よりも1分弱早く終了。


彼らにとっても、かなり驚異的なタイムだったようだが、その動くさまはすさまじい。
毎日やっていることだからというのもあるが、1人1人が自分の役割以外にも、どういうことがあるかがしっかり把握できている。

だから自分の作業が終わると、次に手伝える場所に迷うことなく向かっていく。

なにが時間がかかるということが分かっているのだ。

その後、9:40からメンタルトレーニング。

盛り上げて、精神を落ち着かせて、もう一度盛り上げて。

「盛り上げる」ってのは、けっこうおもしろい。

顔のマッサージして、スマイルして、ジャンプして・・・ちょっとみんなとじゃれたりして。

楽しそうにやる。

その後、9:55からミーティングなのだが、5分ほど時間が余る。

顧問の先生から、

「掃除やっとけ」(笑)

と。

・・・で、普通に掃除をする。


簡単なミーティング後、練習開始。

ちなみに、ここまでの間、顧問の先生から生徒に対して指示を出したのは、

「掃除やっとけ」と「ミーティング」だけ。

あとは、彼らの判断や、彼らから顧問の先生に相談している。


練習は10:00に開始される。

基礎練習→ジャンプトレーニング→スプリント基本→スピード練習→スピード持久力→パート別専門練習→スピード持久力→ソリ(スピード)→筋スピード(シャフト)→筋スピード(体重利用)

と練習が進む。


それぞれの具体的な練習は、ここでは紹介しないが、このすべてが分単位で練習時間が決まっている。

例えば、ジャンプトレーニングは「24分」と。

それをほぼ時間通りにこなしていく。

ずれても1〜2分程度。

見ていて感じたのは、


1秒たりとも無駄がない


もちろん、練習から練習への移動は、ダッシュ。


そして、練習中は声が絶えない。


やる人:「○本目行きます!」
みんな:「ハイ!」

とか、周りからの「ファイト!!」とかの応援の声。


スピードという練習では、短い距離のダッシュのタイムを計っているのだが、

マネージャー:「1位○秒×、2位△秒□」
走った人たち:「ありがとうございますっ」

・・・と。


活気のある、そして濃い1時間45分。

そのあとは道具の撤収。

これも準備と同じく目標タイムがある。

2分28秒。


実は、練習中、無駄がないように、いろんな道具はちょっとずつ片付けているので、準備よりも少ない時間になっている。

あとは準備と同じようにテキパキと。


そして、ミーティング。

ちなみに、最初のミーティングから、この最後のミーティングまでの間、教員は何にも指示していない(驚)

各生徒に、笑顔で話しかけたりすることはあっても、「ああしろ、こうしろ」という具体的な指示はだしていない。


ミーティングでも、陸上の技術的なことは全く言わない。

今日の準備、撤収のタイムが非常によかったことについて、今日の練習に対する「入り」がよかったからだということ。
朝も、顧問教員が来たときには全員がいたという意識の高さ、集中力の高さをほめていた。

そして、とにかく強調してしたのは


感謝の気持ち


陸上がこれだけできるという感謝、現役大学生のOBが練習に参加してくれたことへの感謝、周りの仲間への感謝、今日コレだけの人が自分たちの見に来てくれているという感謝・・・


感謝、感謝、感謝・・・


この気持ちが大切なんだと。


おそらく、この生徒たちはそれは浸みこんでいて、実感している。


そんなに広くない・・・というか、むしろ狭い校庭で、練習環境としては、十分でない中で、全国区の選手を輩出し続ける。


彼らの気持ちが「受身」ではなく、「自立」でなければ、そうはならないだろう。


目標を持つことの大切さを、改めて認識。



彼らは数年後、大人になったとき、ここでの3年間の経験を本当に心底感謝するだろう。

今後、彼らがどんな困難に立ち向かうことがあっても、きっとこの経験が彼らを支えるだろう。

どういう大人に、どういう社会人になっていくのか、それもまた楽しみである。


ちなみに、今日の見学者は、

なんと1,000人近く!

先に書いたように、とある高校のサッカー部のほか、別の部(中学か高校かは分からないけど)もいたし、小学生の団体も。

学校教員のみならず一般の企業の人も。




こんなスゴイ練習を見せてもらえて、


まさに感謝


である。


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# 他の記事は、後日アップするまで未公開とします #
posted by Okiraku KING at 12:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月03日

「遅刻」について考える

一応、ボク、学校教員です、私立の。

こんなに更新できるのは、いわゆる「夏休み」のおかげ。


最近の公立学校の教員は、夏休み期間中も何らかの拘束があるようなのでちょっと違うでしょうが、教員の場合、夏休みをどう過ごすかはけっこう大事だと思う。

自分が何もしなければ何も生まれないけど、かなり自由な時間があるからこそ、非常に有意義なものにもなり得る。
それはすべて、誰かが導いてくれるのではなく、自分次第なので、ちょっと意識していないと、長い休みとはいえ、あっという間に終わってしまう。


もちろん、体を休ませるのも大事ですけどね♪



さて、時間があるといろいろ考えるわけです。

その一つに「教育」のことももちろんあって、今考えるのは「遅刻」のこと。
最近、どの学校でも「遅刻」が多くなっているらしい。


以下、あくまでも私見です。

で、ボクがふと思ったことは、ぶっちゃけ、今の学校における「遅刻に対する教育」ってあまり意味がないんじゃないかと。
他の学校のことは分からないですが、少なくともボクの勤めている学校はそうじゃないかなと思っています。


もちろん、小学校では「遅刻」がいいとか悪いとかすら分からない、ということもなくはないでしょうから、ここでは中学校、高校での話。


「遅刻」は、してもそんなに問題ではないときと、ダメなときがあって、学校はその後者であるというのは、生徒も分かっていること。


そして、そのよく遅刻する生徒に対して

「遅刻はダメだ。そんなんじゃ社会に出たら困るだろっ!」

と教員は言う。これ、よく聞くセリフ。

ちなみにこの「社会に出たら」っていう言葉、多くは「会社に勤めたら」ということを指していると思います。

これ、誰が聞いても、まあ間違ってはないです。


・・・が、しかしです。
この「社会に出たら困る」という決まり文句が意味がないとボクは思う。

ボクは「よく遅刻する生徒」が、会社勤めし始めても「変わらず遅刻をするか?」と考えると、多くは(・・・さすがに全員とはいわないです、ダメなヤツもいるでしょうから・・・)「遅刻しない」んじゃないかと。

仮に「学校での遅刻が卒業するまで改善されなかった」としてもです。


なぜなら、会社に勤めてて、遅刻が多ければ、その人の評価に響くし、それは年収だったり、出世に響くことは明らかで、ヘタすりゃ「解雇」の可能性だったある、という


「遅刻をしたら自分にとってどういう悪いことが起こるか?」


が予想できるし、それは本人にとって間違いなく「困ること」だから。


じゃあ学校は?

はっきりいえば、生徒にとって、

「学校に遅刻をすることで、自分にとってどういう悪いことが起こるか?」

がさっぱり見えてないはず。


いや、ないでしょ。よっぽどの回数じゃなければ。

遅刻ぐらいで「勉強が遅れて困った・・・」っていう生徒は絶対いないでしょ?

せいぜい、先生に注意されるのが「うっとうしいなぁ〜」ってくらい。
それも慣れれば平気でしょ。


多くの教員は「教員に厳しく指導される」ってことが、生徒にとって「困ること」だと思っているけど、それは違うと思う。
遅刻ごときで教員に厳しく指導されたところで「後悔」することではないだろうから。

そもそも、遅刻減ってないから、意味がないってことに気づかないと(笑)


「遅刻が○回になると留年ね」

「遅刻が×回になると退学ね」

・・・って明確にして、かつ実行したら、遅刻なくなりますよ(笑)
公立中学校では使えないでしょうけど、これに近い懲罰があればいいんじゃないかと。


「なんで??」・・・って言われれば、

「学校のルールだから」・・・って言い返せばいいだけ。


これは極端ですが、「遅刻したら困る」「後悔する」ことがあれば、遅刻は減るでしょう。
じゃあ、どうしたら遅刻を減らすことができるのか・・・

おそらく、この休み中にいくつか案を考え(・・・浮かばないかもしれないけど・・・)、それを試すでしょう。
その効果についてはまた報告すると思います。



ちなみに、ボクの前にいた職場では、時間に全然厳しくなかったです。
10分くらいの遅刻、いや、ヘタすりゃ30分くらいでも、だーれも何にも言わなかったです。

もちろん、朝から会議があって、それにすら間に合わないっていうとなると、さすがにそんなことはなかったでしょうが。

最近は、フレックスの会社も多いでしょうから、昔に比べると、時間に対してさほどキッチリしてなくても、「自分の仕事」にキッチリしてればいいんだよね、きっと。

「自分の責任をキッチリ果たす」ってのを身につけさせるほうが大事じゃないかな。

そういうことを体験する場面が、学校には少ないような気がします。

これも課題。


・・・と、そんなことを考えるボクは、プライベートではけっこうよく遅刻します(笑)
もちろん、その時間に集まらないと絶対にマズイ!というときはしないですよ。
そもそも「遅刻」に対してうるさい友人が周りにあまりいないし、ボク自身も誰かが遅刻してきても気にもならないし。


・・・気になっている人がいたら言ってくださいね・・・(苦笑)

そんなわけで、明日から出張。
しばらく更新はナシです。
posted by Okiraku KING at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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